抜 刀隊
作詞:外山正一  作曲:シャルル・ルルー
1 吾は官軍我が敵は 2 皇国の風と武士の 3 前を望めば剣なり
天地容れざる朝敵ぞ その身を護る魂の 右も左もみな剣
敵の大将たる者は 維新このかた廃れたる 剣の山に登らんは
古今無双の英雄で 日本刀の今更に 未来のことと聞きつるに
これに従ふ兵は また世に出づる身の誉 此世に於て目のあたり
共に慄悍決死の士 敵も味方も諸共に 剣の山に登るのも
鬼神に恥じぬ勇あるも 刃の下に死ぬべきぞ 我身のなせる罪業を
天の許さぬ反逆を 大和魂ある者の 滅ぼすために非ずして
起こしし者は昔より 死ぬべき時は今なるぞ 賊を征伐するが為
栄えしためし有らざるぞ 人に遅れて恥かくな 剣の山もなんのその
敵の亡ぶるそれ迄は 敵の亡ぶるそれ迄は 敵の亡ぶるそれ迄は
進めや進め諸共に 進めや進め諸共に 進めや進め諸共に
玉散る剣抜き連れて 玉散る剣抜き連れて 玉散る剣抜き連れて
死ぬる覚悟で進むべし 死ぬる覚悟で進むべし 死ぬる覚悟で進むべし
 
4 剣の光ひらめくは 5 弾丸雨飛の間にも 6 吾今茲に死なん身は  
雲間に見ゆる稲妻か 二つなき身を惜しまずに 国の為なり君の為  
四方に打ち出す砲声は 進む我が身は野嵐に 捨つべきものは命なり  
天に轟く雷か 吹かれて消ゆる白露の 仮令屍は朽ちるとも  
敵の刃に伏す者や 墓なき最期遂ぐるとも 忠義の為に捨つる身の  
弾に砕けて玉の緒の 忠義の為に死ぬる身の 名は芳しく後の世に  
絶えて墓なく失する身の 死して甲斐あるものならば 永く伝へて残るらん  
屍は積みて山をなし 死ぬるも更に怨なし 武士と生まれし甲斐もなく
其血は流れて川をなす 我と思はん人たちは 義のなき犬と云はるるな
死地に入るのも君の為 一歩もあとへ引くなかれ 卑怯者とな謗られそ
敵の亡ぶるそれ迄は 敵の亡ぶるそれ迄は 敵の亡ぶるそれ迄は
進めや進め諸共に 進めや進め諸共に 進めや進め諸共に
玉散る剣抜き連れて 玉散る剣抜き連れて 玉散る剣抜き連れて
死ぬる覚悟で進むべし 死ぬる覚悟で進むべし 死ぬる覚悟で進むべし